劇団ひとり原作、”陰日向に咲く”。平川雄一朗監督、金子ありさ脚本。
原作は未読のまま鑑賞。多分原作はキャラクターごとに章立てになっているんだろう。映画はいろんなキャラクターのいろんな話が、順繰り順繰り、そして時に交錯しながら、丁寧に紡がれている。脚本がうまい。全体的に浅田次郎のいい話っぷりと伊坂幸太郎の物語の収束のさせ方が、いい具合にブレンドされているような印象を受けた。
人それぞれ、歩む道、生き方は違う。誰もがその人の人生においては主人公である。しかしながら皆が皆日の当たる人生ではない。七転び八起き、紆余曲折、後悔だけが残るような、そんな人生。そんな人生を送る、パッとしない主人公たち。(なんて他人事のように言いながら、それは紛れもない自分の姿だと思ったりして・・・。)彼や彼女が、逡巡の果てに一瞬見せる、一瞬咲かせる花。小さくとも、美しい花。
この物語は親子や家族の再生の物語であり、人生讃歌である。人生に疲れたり疑問を感じたり放棄したくなってる方はご覧あれ。なんだかちょっと楽になると思う。
とりあえず男子は宮崎あおい演じるゴールデンなる子のかわいさで、心に花が咲くこと必至。
「ほんと、騙されたと思って観てぐしない!」
陰日向に咲く 通常版
/ VAP,INC(VAP)(D)
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