岡崎京子著、”ヘルタースケルター”。
主人公の【りりこ】は今一番の売れっ子モデル。華やかな世界を蝶のように舞っている。しかしながらその実像と実情、そして実状は・・・。
ここには女の性(さが)と業(ごう)が、イヤと言うほど描かれている。美にこだわるのは女の性。哀しいかなそれは永久不変ではないので、その変化を認め、背負うことが必要である。誰しも逃げることはできない。つまり業だ。
私も口ではそれらしいことを言う。「歳をとったら表面的な美しさは衰えるかもしれないけど、内側から滲み出てくるものがその衰えを補っても余りある。」とか、「若い娘にはない大人の色香がある。」とか、「女は30から。」とか。それも嘘ではない。嘘ではないが、100%の本心でもない。勘違いしないで欲しい。実はやっぱり若い方がいいと思っている訳では全くない。
女性は『どうせ男は若い娘がいいんでしょ。若けりゃいいんでしょ。』なんてことを言う。まるっきりの見当違いとまでは言わないが、女性が思っているほどではない。そんなに若さだけを礼賛はしない。私だけでなく大半の男性に言えると思う。【若い】ということにそこまで固執しない。その人の個人的な魅力の前では、【若さ】なんて意外とどーでもいいのだ、男は。
結局、【若さ】にこだわり、【若さ】に嫉妬しているのは、誰でもない女性自身なのだと気付く。
ヘルタースケルター (Feelコミックス)
岡崎 京子 / / 祥伝社
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