どれだけ思っていても、どれだけ考えていても、それが相手に伝わらなかったら、相手にとっては思っていない、考えていないことと同じ。
相手にきちんと伝えたいのなら、その術を身に付けるべきだ。言葉はそのためにある。
以前、松本人志と高須光聖のラジオ番組、”放送室”で松本氏が言っていた。
『話が上手になろう思たら落語を聴いたらええねん。さだまさしさんとか山下達郎さんとか話上手やん。あの人らめっちゃ落語好きやねん。』
これを聴いた翌日、落語のCDを買いに行った。
落語にはサゲがある。サゲがバッチリ決まるように噺を進めるのが落語の真骨頂であり話芸と呼ばれる所以である。
このサゲが換言すれば、『自分の思いや気持ち』だ。これを相手が理解できるように順序だてて説明すること、それが『伝える』ということだ。
相手が理解できるように順序だてて説明するためには、まず自分の頭の中を整理しなくてはならない。なぜそう思ったのか?を明確にしなくてはならない。まずこれがやっかいだ。素の自分と向き合わなくてはならない。しかしここで挫折したら先へは進めない。自分の心の深いところを覗くことが、相手に伝えることの第一歩だ。
そしてその深いところにあったものを相手に届けるためには、独りよがりになってはいけない。俯瞰の視点を持たねばならない。一つ一つを俯瞰で検証していく。OK、OK、OK・・・。
AはこうだからB。BはこうだからC。CはこうだからD。つまりAはBでCだからD。
まず大切なのは『自分の思いや気持ち』。つまり主観だ。その明確な主観を客観的に検証し、段階的に提示していくこと。それが『伝える』ということだと思う。