深夜3時過ぎの閉店後、一人で片づけをしていました。ドアが開きました。
『○○亭で~す!』
「はい?」
『あの、出前をお持ちしました。』
「今日は頼んでませんよ。」
『え?あ、そうですか?2階?水さん?・・・おかしいなぁ。ちょっと待ってくださいね。』
首を傾げながら店に電話をかけるおじちゃん。
『・・・あの、いったん戻ってきます。』
私以外誰もいない店内で誰が出前を取ったと言うんでしょう。不思議なこともあるものです。
なんてことをぼんやり思いながら片付けていますと、おじちゃんが戻ってきました。
『さっきですね、これこれこういう方々が店頭で直接注文されてですね、こちらに持ってきてくださいってことだったんですけど・・・。心当たりはないですかねぇ?』
「!」
「あ~、はいはいはいはい、分かりました!さっきのね、あの方々ね!はいはい。なんか急に気分が悪くなったみたいで帰っちゃったんですよね。」
『・・・どうしましょう?』
「・・・もしかしてお代は?」
『まだです・・・。』
「あぁ~。そうですか・・・。」
おじちゃんの眼差しが雨の中でズブ濡れの子犬のようで持って帰ってとも言えず、支払いましたよ2100円。心当たりのあるあなた、次回しっかり請求いたしますよ。モノはすでに私の胃の中ですけどね。