電車通り、チャンスセンター前で信号待ち。
何気に後ろを振り返ると、サングラスの中年男性がビルのガラスのドアにぶつかっていた。手には白いステッキ。パニクったのか、方向転換して歩き出した方向には障害物があった。ナンバーズの発売を知らせるのぼりだ。案の定のぼりにぶつかった。
つい歩み寄ってしまった。なんて声をかけていいかも、どうしてあげたらいいのかもわからなかいまま、歩み寄ってしまった。けれど声をかける必要はなかった。肩にそっと手を触れただけで彼は『あ、大丈夫です。』と言った。歩道の真ん中にある黄色い点字シートみたいなやつのところまで案内すると、スタスタと歩いていった。あまり上手に歩けないらしく、途中で女性と肩がぶつかっていた。
彼の背中を見送りながら、なんだか恥ずかしくなった。
当たり前のこととはいえ、誰が見ても優しさ100%の善行には気恥ずかしさを感じる。周囲の人に「別にいい人アピールじゃないんですよ。」と言ってみたくなる。なんなんだろう。
ただの天邪鬼なのか、恥ずかしがりやなのか。
嘘じゃないんだけど、傍から見たらなんとなく嘘っぽいからか・・・。考え過ぎかな。