絲山秋子著、”逃亡くそたわけ”。
読んだきっかけは映画の予告編。これを原作にした同名映画が只今上映中なのだが、その予告編が強烈だった。
きつい博多弁の女の子が車の後部座席でギャーギャーわめいていた。程度はわからないが精神を病んでいるようだ。感情の振れ幅が大きいのが見て取れた。そんな映像のバックに流れているのはThe ピーズの”グライダー”。この選曲センスに驚き映画を観たくなったが、とりあえずは原作を読まなきゃと思った。
読んでみたら得心した。The ピーズは監督の演出ではなかった。絲山秋子がThe ピーズの曲を物語の中に何度も登場させ、歌詞を引用していた。
福岡から鹿児島の最南端である長崎鼻まで、プリズンと呼ばれる病院から行き止まりの逃亡を試みた21歳の「あたし」とたまたま相棒にさせられた「なごやん」。二人が乗る車中でかかるBGM。デカダンの臭い(匂いではない)がし、やる気があるのかないのかわからない、3ピースゆえのスカスカさで、グランジから爆音を取り除いたようなロックンロール。そんなThe ピーズが最適だ。
巻末にある渡部直己の解説が素晴らしい。「?」だらけだった本編を、理解が深まるようしっかり解説してくれる。
この解説まで読んだからには映画の理解も完璧だろう。”逃亡くそたわけ”、観に行こう。
逃亡くそたわけ (講談社文庫)
絲山 秋子 / / 講談社
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The ピーズ
The ピーズ / / キング
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日が暮れても彼女と歩いてた
/ KINGRECORDS.CO.,LTD(K)(M)
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