ポール・オースター原作、脚色、ウェイン・ワン監督の”スモーク”。
ニューヨークの街角でタバコ屋を営むオーギー。彼は四千日間、毎朝八時に自分の店の前の風景を写真に撮り続けている。四千日の定点観測。彼を起点に物語は始まる。
常連客で作家のポール。ポールを偶然助けたラシード。オーギーの元妻、ルビー。ラシードの実父、サイラス。そしてオーギー。
五者五様の物語は、それぞれの【嘘】と【真実】の狭間を行き来している。悲しい嘘と辛い真実が物語を淡々と進めていく。
最後の物語はオーギーの物語。彼がなぜ定点観測を始めたのか?
彼の語りは嘘なのか真実なのかわからない。ただ幸せではある。嘘だとしても真実だとしても。
最終的に幸せでありさえすれば、その過程は嘘だろうが真実だろうが関係ないんだと気付かされた。
SMOKE
/ ポニーキャニオン
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