下荒田にあるフレンチレストラン。10年程前までは高麗町にありました。その頃から足繁く・・・とはいえませんが、シェフと奥様に忘れられない程度に通っております。
しかしながら 水 を開店してからは一度も伺えず、前回お伺いしたのは1年半程前のランチでした。そのときに初めて一人でお伺いしたのですが、フレンチを一人でいただくというのは、味覚的にではなく空間的になかなか満足のいくものではありませんでした。
といいますのも、カウンター席ではなくテーブル席ですので次の料理がくるまでの間が持ちません。話し相手がいないからというわけではなく、お店の方の仕事っぷりが見えないからです。カウンター商売をしている者にとって、お店の方がどういう動きをされているかというのは実に興味深いことです。見飽きませんし、非常に参考になります。
で、今回、実に久しぶりにランチにでかけました。やはり一人で。ドアを開けますと時間が遅かったからでしょう、ノーゲストでした。
奥様はいらっしゃいませんでしたが、シェフが厨房から出ていらしたので「ご無沙汰しています。」とご挨拶。最初は『誰だっけ?』といった表情でしたが、すぐに気付いていただけました。
いつもは寡黙なシェフですが、久しぶりなのと、他にお客様がいないせいでしょう。テーブル席の私にガンガン話しかけてきてくださいました。『お店を始めたら大変でしょう?』から始まった自営業の大先輩としてのお言葉。お互いのプライベートの近況。もちろん料理についても、いろんなお話を聞かせていただきました。
牡蠣の温かい前菜、かぼちゃのポタージュ、真鱈と白子のグリルをいただきながら実に楽しいひと時を過ごせました。デザートのブラマンジェをいただきながら、「そうそう、この味だなぁ。」と感慨にふけってしまいました。
最近、年齢的なものなのか、蕎麦や寿司が非常においしく感じられていましたが、やはりフレンチもいいですね。再確認しました。
シェフとまたの来店を約束して帰途につきました。シェフには悪いですが、次回もまた貸切状態だったらいいなと思っています。