
日本テレビドラマ、"西遊記"。
諸々あって孫悟空、沙悟浄、猪八戒が、三蔵法師が天竺へありがたいお経をもらいに行く旅のお供をすることになる・・・。
1978年10月から翌年4月までの作品。ということは観ていた時はまだ5歳で最終回の時には6歳になってたのか。孫悟空が筋斗雲を呼ぶ仕草がカッコよかったし、如意棒もすごいなーと思って観ていた。ずっとまた観たいなーと思っていたので、BS12で放送があるのを見付けて小躍りした。
孫悟空の生い立ちに始まってのゴダイゴの"モンキー・マジック"によるオープニング、最高。記憶の通りでカッコいい。なんなら記憶以上にカッコいい。
けれどやっぱり観ていた時はかなり子供だったので、難しいことは抜きにして観ていたんだなと初回を観て分かった。悟空たちが元は天界の人(?)たちで、フルネームが斉天大聖孫悟空、捲簾大将沙悟浄、天蓬元帥猪八戒だったと初めて知った。それぞれが問題を起こして人間界に追放されて、妖怪になったけど三蔵法師のお供をするなら元に戻さないこともないよみたいな、ちゃんとした設定があったってことを初めて理解した。
そこからはまあまあ記憶の通りだった。4人が旅する最中に妖怪に会って、退治したり問題を解決したりなんだりかんだり。もちろん全部が中国ロケではないんだろうけど、にしてもお金がかかってるのは確か。それは今観ても分かる。
そして4人のキャラクターが秀逸。猿と豚と河童がこんなにも魅力的だなんて。何より男である三蔵法師を女性の、それもめちゃくちゃ美人の夏目雅子に演じさせるという快挙。すばらしいの一言に尽きる。
しかも妖術で入れ替わったりすることが多くて、夏目雅子が見た目は三蔵法師のまま猪八戒の声で喋ってるのに合わせた演技をしたりしていて、こんなことまでしてたんだと驚いた。
あと後半になるにつれてアドリブが多くなってる気がする。明らかにカタカナ英語の台詞が増えたもの。時代設定としては合ってないけど分かりやすいからよし。ていうかそもそも沙悟浄が関西弁なのもどういうこと?なんだけど。細かいことは言いっこなし。楽しければいいじゃない。
最終回、天竺に辿り着かなかったのだけは記憶にあった。子供ながらに「え?最終回なのに?」と思ったもの。天竺に辿り着いてハッピーエンドじゃなく、まだ旅の途中で終了。大人になった今なら分かる。こっちの方が絶対にいい。
なんだけども最終回で【10万8千里】ってワードが出てきて、御一行は唐から天竺へ向かっているはずで、現在の中国からインドまでだと思うんだけど、これが10万8千里なのだとしたら43万kmってことで、地球1周が4万kmなのになぜに43万kmも歩かなきゃならないの?めちゃくちゃ遠回りをして地球を11周して天竺へ向かってるの?と思ってしまった。嫌な大人になったもんだ。
とかいいつつもとっても楽しめた。4人の掛け合いは楽しいし、アクションシーンはカッコいいし。特に孫悟空。子供の時に観たまんま、同じように楽しかった。
エンディングのゴダイゴの"ガンダーラ"も切なくてとてもいい。愛の国、ガンダーラ。
遊び心に満ちた贅沢なドラマだなーと改めて思った。子供の時に観ていてよかったと思うし、大人になってまた観ることができたのも本当によかった。
"西遊記" ★★★★☆