
WOWOWドラマ、"フェンス"。野木亜紀子脚本。
沖縄で黒人と日本人のミックスの女性・大嶺桜が米兵にレイプをされたと警察に訴える。
雑誌でキャバクラ潜入記事を書いている小松綺絵は編集長に沖縄に取材に行ってこいと命じられ・・・。
ずっと観たいなーと思っていたらAmazonプライムで配信が始まったので観た次第。本当にいい時代。
取っ掛かりはレイプ事件で、それはそれで闇が深いんだけど、それ以上に沖縄が抱えているあらゆる問題が浮き彫りにされていく。いわゆる社会派サスペンスよりも社会派の方に寄っていて、サスペンスの形を借りた社会問題提起ドラマといえよう。それなのにサスペンスとしての物語もおもしろいのが野木亜紀子印。
米軍基地の存在が問題の発端で、それを遡れば戦争に行き着く。沖縄の悲劇の始まり。そしてそれは今も続いている。
観ていて非常に胸が痛くなる。同じ日本で暮らしていて、頭では分かっているつもりだけどリアルに実感することはない。沖縄の現実を。
もっと知りたい、もっと知らなきゃと思う。沖縄の置かれている現実を。つまりは沖縄を。
そんなことを思っていた私に桜が突きつける。『これは沖縄の問題じゃなくて日本の問題』
そうなのだ。私は無意識の内に「沖縄のこと」としていた。自分とは距離を取って、なんなら他人事だとさえ思っていたかもしれない。そうじゃないんだ。これは私の問題でもあるのだ。日本国民である私の。
意識を変えなきゃ、そして何かを始めなきゃ。そんな気持ちにさせてくれるドラマだった。