
BS松竹東急ドラマ、"ア・ターブル 歴史のレシピを作って食べる"。横幕智裕脚本。原案は遠藤雅司著、"歴メシ!決定版 歴史料理をおいしく食べる"。
空き家となった親戚の吉祥寺の持ち家に住む藤田ジュンとヨシヲ夫婦。ジュンは大学の職員で、文学部の教授からマリー・アントワネットが食べていたであろう料理のレシピをもらってきて・・・。
こんなの大好き。
『トマトは16世紀に観葉植物としてフランスに入ってきた。それで18世紀後半に南フランスの一部とベルサイユ宮殿で食べられるようになった』『じゃがいもはドイツの食卓に革命をもたらした。18世紀に大飢饉があり、じゃがいもは寒さに強く収穫率が高かったので一気に普及した』『愛することって努力と知性が必要なの』『自由意志か運命か、それは決めなくてもいいんじゃない』
食と知と哲学の融合。アドリブのような瞬間の数々。それでいて初回から最終回までしっかりと一本の芯が通ってる脚本。
夫婦の関係性も、テレビのない空間も、難し過ぎない歴史の会話も、全ての食器も、服もバッグも、毎回の料理シーンも、毎回の食事シーンもとても素敵。何から何まで真似したい。本人たちに自覚はないだろうけど、とても豊かな生活だと思う。
キャスティングもジュンが市川実日子ってのは分かるというか想定内だなと思うけど、ヨシヲが中島歩ってのがとてもいい。年齢的なこともあるんだろうけど、ここでオダギリジョーだと流石に置きにいった感が強過ぎる。実際、とてもいい夫婦に見えるもの。
そしてそんな藤田夫婦が毎回コーヒーを飲むんだけど、そのコーヒーカップがめちゃくちゃ素敵なのである。初回でちょっと思って、2回目を観た時には検索した。「ア・ターブル コーヒーカップ」で。なんだけどこれが出てこない。いろいろ検索ワードを加えたり変えたりしたけど出てこない。
遂には初めて画像検索というものをしてみた。

この写真で。そしたら似てるのは出てくるもののドンピシャが出てこない。万事休す。
と、そんな話をワイフにしたら『クレジットの協力のところから当たってみるしかないね』って言われた。なるほど。ここまできたらいっちょやってやるか。
小道具協力から当たってみた。けど、どれも大きな会社で衣装とかバッグとかの協力をしているっぽい。
次に美術協力。ん?会社名が並ぶ中に唯一の個人名。これは臭う。

「石井佐枝」で検索。するとインスタのアカウントがヒット。陶芸家らしい。これはきたか?と思ってスクロールさせていくと、きたー!
『主人公夫婦が使っているコーヒーカップや部屋の置物をちょこちょこっと提供しました』とのこと。ほほう、それでそれで。このカップは売ってるの?
そしたらコメントされてる方が『20代の頃にご自分用に作られたとお伺いしまして』って書いてる。売りものじゃなかったー。残念。
でもここまでしたので気はおさまった。買えないんじゃ仕方ない。
判明した後もドラマを観続け、コーヒーカップが出てくる度に「やっぱりいいなー」と思い続けた。そのうちどこかで似ているのを見付けたら絶対に買っちゃう。そんな出会いを心待ちにしている。