歌にとって必要不可欠なもの、それは声。同じ歌でも声で印象が変わる。
私の大好きな、というより私の一部が、もしくは私自身が取り込まれているロックンロール。そこには”ロックな声”が存在する。
清志郎の唯一無二の声、ヒロトのアナーキーで自由な声、ベンジーのけがれない少年のような声、大江慎也のぶっきらぼうでセンチメンタルな声、そしてチバの声。
チバユウスケの声は、ロック以外のなんでもない。もしこの世にロックンロールがなかったら、彼は生きていけたのだろうか?そんな思いが頭をよぎるほどに・・・。
"Rollers Romantics"と題されたThe Birthdayの1stアルバム。彼の声が詰まっている。ロックが詰まっている。
単純な8ビートのロックンロール一辺倒ではなくバラエティーに富んだ楽曲群は、彼の持つロマンティシズムの奔放性を表していると思う。そしてその奔放なロマンティシズムを表現する最大の武器が、彼の声だ。
今までTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、ROSSOを散々聴いてきた。そこにThe Birthdayも加わる。つまり、これまで散々チバの声を聴いてきたが、これからは今まで以上に聴くだろうということだ。
私が生涯で最も耳にする声は、母の声でも弟妹の声でも友人の声でも伴侶の声でもなく、スピーカーを通して聴くチバの声だろう。
Rollers Romantics
The Birthday チバユウスケ / ユニバーサル・シグマ
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