
オーストラリアのドラマ、"ウェントワース女子刑務所"シーズン1。
ビー・スミスは逮捕されウェントワース女子刑務所へ送られる最中、護送車の中でこの先どうなるのかと不安になる・・・。
Amazonプライムにあってタイトルだけは知っていたので観てみた。観終わってこの感想文を書くにあたってWikipediaを見たところ、アメリカじゃなくてオーストラリアのドラマなんだと初めて知った。道理で知らない人ばかりなわけだ。納得。
まず思ったのは外国の刑務所って結構自由だなってこと。日本だと何もかも制約されてるイメージだけど全然そうじゃない。
昼間は部屋の行き来は自由だし、自分の部屋をいろんなもので飾ったりもできてる。看守との関係性もかなりフラットで驚く。フィクションだから誇張している部分はあるだろうけど、基本的に日本のそれとは全然違うんだろう。
ドラマとしては陰湿だったりエグかったりで、刑務所が舞台だから当然ハッピーなことなんてないんだけど、受刑者だけでなく看守たちもドラマを支えるキャラクターなのはおもしろいなと思った。そうなるとかなり描ける幅が広がるもの。
なんだけれども。
非常に残念だったのは、最初からずーっと引っ張っていた看守長殺害の犯人とその動機と手口。やっと最終回で描かれたけど、めちゃくちゃあっさりしていて、「え?これって最初から考えてたやつ?じゃないよね?」って思った。撮影間際に『もういいや、これでいこう』ってなったような、とても雑なエピソードだった。もしも『描きたいのはそこじゃないんで』ってことなら、じゃあ引っ張り過ぎだろとしか思えない。あんだけ引っ張ったら期待するって。
最初は刑務所という閉鎖された特殊な場所での受刑者たち(と看守たちも含めて)の政治的な物語かなと思っていたし、確かに途中まではそうとも言えるんだけど、シーズン1の最終回まで観終えて思ったのは、これはビー・スミスの刑務所内における成長譚だなということ。
いろんな意味で傷付いて、ここでの生き方を知って学んで、なんだかんだで最後は感情が爆発してしまったビー・スミス。この先の彼女の物語に興味がないことはないけど、また長い次のシーズンを観ようとまでは思わないってのが正直なところ。