
NHK朝ドラ、"虎に翼"。吉田恵里香脚本。
昭和6年、女学校に通う猪爪寅子は両親のすすめでお見合いをさせられ続けている。しかし女学校を出たら結婚、子育て、家庭を守るという流れに納得できない寅子。下宿人の優三が通う大学で法律に出会い・・・。実在した裁判官、三淵嘉子をモデルにした物語。
前半はとてもおもしろかった。
いろんな状況で女性の立場が低い世の中に対する寅子の反骨心が、ふんがふんが鼻息荒く「はて?」と言わせまくっていた。
家族との諸々も楽しかったし、明律大学に通う同級生たちのわちゃわちゃもよかった。女性5人(玉ちゃんも入れたら6人)はもちろん、花岡や轟の男性陣も含めて。
寅子は司法試験に受かって弁護士になったけど挫折して。戦争があって。憲法が変わって。裁判所に復職して。新潟に行って。
この辺まではとてもおもしろくて、新潟編の途中からちょっとずつトーンダウンしていったように思う。
そして再び東京編。この辺になると、凄く上の方だけでの物語というか、一般庶民とは違う育ちのいい人たちだけの物語のように見えて、なんだか置いてけぼりを喰らったような感じがしていた。前半で感じていたようなおもしろさは確実になかった。
ただ、それとは別の、今を生きる私たちが知っておくべきこと、原爆被害者のことや尊属殺人のことを知るというおもしろさ(と言っていいのかどうか)があり、つまりはおもしろさの種類が変わっていた。
そういう意味では種類は違えど最後までおもしろく観たわけで。
今作を観るまで伊藤沙莉はずっと私の中では【米子】だった。"
ひよっこ"の。それくらいインパクトがあったということ。だからあれ以降、なんのドラマで観ても米子として認識していた。それが今回、【寅子】に上書きされた。これは結構大きなことだと思う。
となると、これから当分は土居志央梨を【よねさん】と認識していくんだろうな。それはそれでよし。