古内一絵著、"マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ"。
駅を出たところで貧血に襲われた城之崎塔子が目覚めると・・・。と始まる"春のキャセロール"を含む4編の連作短編集。
見た目は屈強なドラァグクイーンが営む夜食カフェ【マカン・マラン】を舞台にした物語。ちなみに【マカン・マラン】とはインドネシア後で【夜食】の意。
諸々あった主人公たちが隠れ家夜食カフェであるマカン・マランに辿り着いて、ハーブティーやマクロビによる夜食に心身共に癒される優しい物語。
なんだけども。
こちとら好物が油と塩ときた。そして酒好き。つまり、このマクロビ主体の食のあれこれに全くとまでは言わないものの、なかなかあんまりそそられない。故に読み進めるのに非常に時間が掛かった。もちろん帯にある『思いきり泣きたい夜にいらしてください』なんて理解不能。どこに泣く要素があるのかすら分からなかった。
やっぱりこの手の本は相性が大事。マクロビ好きカフェ好きには堪らないのかもしれないけど、私みたいな50歳になってもハードコアな食生活を満喫したい派には物足りないことこの上ないのである。
そしてそれは物語自体にしても同様。結局のところ優しい場所に着地してしまうのに物足りなさを感じてしまうわけで。
人気みたいで続編も多々あるみたいだけど私は読まないなー。