リドリー・スコット監督、"テルマ&ルイーズ"。
ダイナーで働くルイーズは週末、友人で専業主婦のテルマと旅行に行く予定。だがテルマは夫に言い出せておらず・・・。
1991年の公開当時に映画館で観たかビデオで観たか。それ以来だから実に30年以上振りに鑑賞。
ルイーズがやさぐれた感じの気の強い女性で、テルマが年齢差のあるモラハラ夫に何も言えない気の弱い女性。2人で旅に出てちょっとハメを外したテルマがレイプされそうになったところから逃避行が始まる。
観ているこっちは誰が悪いのか分かっているから心情的には正当防衛が成立しているし、途中まではまだ引き返せそうな気がするんだけど、テルマがセックスで覚醒してしまってからはもう手に負えない。
2人の関係性も一時は逆転してテルマがイケイケになってルイーズを引っ張っていく。そして雪だるま式に問題が増えて膨れていき、2人の進むべき道はどんどん危なく狭くなっていく。なんなら堕ちていっていると換言してもいい。
しかしながら彼女たちは堕ちていくのに反比例して生き生きとしていく。自分たちの本来の姿を解放し、ボロボロなんだけど輝いていく。
上の写真が解放前で、これが解放後。
ドブネズミみたいな美しさがある。2人ともめちゃくちゃカッコいい。
ラスト、どうなるか知っていてもグッときた。自ら破滅へ飛び込んでいく姿は"
明日に向かって撃て!"を観た時から大好物。
そして実は奇跡的に着地に成功したりして・・・とか、勝手な妄想ができる余地があるところも好き。