雨穴著、"変な絵"。
大学の教室の黒板に1枚の絵が貼られ、心理学者の萩尾登美子がその絵について語り出す・・・。
"
変な家"の著者による第2弾。続編じゃなくて第2弾ってのは適切。テイストは同じなので。
そう、同じテイストということは、つまりこれも変な本。小説は小説なんだけど、タイトル通りで絵がモチーフになってるから絵は度々挿入されるし、引用というよりも繰り返しといった方が適切な表現が多々あるし、一般的な小説とはちょっと違う。なのでやっぱり変な本。
そして私の読書タイムは、イコール誰もいない店内なので、この手の小説は勝手な想像力を発揮して勝手にどんどん怖くなってしまう。読み進めていくうちに閉店時間になり、続きはまた翌日の店内で読むのが通常なんだけど、今作は持って帰った。昼間に家で読もうと思って。だって夜だと怖いから。店だと薄暗くて静かで怖いから。翌日の昼間に家で読み終えようと思ったのである。
大正解。
変に怖がることなく至って冷静に読み終えることができた。謎のための謎が多い話だった。登場人物がみんな面倒臭いことしてた。そして殺人鬼がめちゃくちゃ殺人鬼だった。
こんな殺人鬼にスポットを当てて深層心理や成長過程まで深掘りして、なぜここまでに至ったかをつぶさに検証して解説してくれる小説が読みたいと思った。ノンフィクションならシリアルキラーものとかありそうだけど、しんどそうなので小説がいいな。なんかないかな。