
中江和仁監督、"劇場版 きのう何食べた?"。安達奈緒子脚本。原作は、よしむらふみの同名漫画。
ケンジの誕生日祝いに京都旅行を提案するシロさん・・・。
相も変わらずとてもいい。京都旅行にはしゃぐケンジ。でも途中から『絶対何か裏がある』と不安になるケンジ。『死んでもいい』だの『死ぬの?』だの簡単に言うケンジ。それを笑いつつもちゃんと嗜めるシロさん。これだけで2人の関係性がしっかり描かれている。
そして物語は双方の親のことになったり、お互いの関係性のことになったり、お互いにちょっと嫉妬してみたり。
2人が男性同士っていうことがほんのちょっと変わってるってだけで、後は実に普遍的な物語。年齢的に私とそう変わらないくらいの設定なので、親のこととか、加齢による身体的なこと、これからの暮らし方とか、全くもって他人事ではないなと思いながら観ていた。同年代としてどれも刺さるテーマ。
それに加えておいしいものがたくさん出てくるのも相変わらず。しかも作るのが難しくないものばかりなのがとてもいい。すーぐ真似したくなる。まずは肉団子かな。
結局のところ、今の関係や状況がとても良くて、これがこのまま続きますようにって願うばかりなんだけど、自分たちだけで生きているわけではないし、だからこそ自分たちだけが良ければいいなんてことはない。親や兄弟や友人も大切にしつつ、最も大事な家族を最も大切にするって話で、至極当然なことなんだけど忘れがちなことを丁寧に描いてくれている。冒頭がちゃんと最後への伏線になっていたりするのもいい構成。
ドラマにしろ映画にしろ、今作を観ると虎舞竜の『なんでもないようなことが幸せだったと思う』が真理だと心底思う。
シロさんとケンジ、これからもなんでもないような日々をずっとずっと続けていって欲しい。