アンディ・ウィアー著、"火星の人"。
アレス計画の元で人類は火星に到達。3番目のチームであるアレス3のクルー、マーク・ワトニーはソル6(火星で6日目)に大変なことになったとログに書き記していて・・・。
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プロジェクト・ヘイル・メアリー"で最高の読書体験をして幸福に満ちていた私だったが、それは同時に不幸の始まりでもあった。おもしろいと思えるような本を読んでも物足りなく感じるのである。読んでいて全くワクワクしないのである。これはマズい。
あれと同等とは言わないまでも、少なからずワクワクできるような作品はないものか。
・・・はっ!同じ著者の前の作品を読めばいいんじゃないか!"
オデッセイ"として映画化されて観て、おもしろかったって印象はあるけど詳細はいい具合に覚えていない"火星の人"を!・・・ということで読んだ今作。
はい、最高。またしても最高。ワクワクとドキドキの連続が止まらない。
火星で独り生き延びようと、いろんなアイデアを駆使するマークの姿勢には尊敬しかない。しかもユーモアがあるから悲惨な感じがしない。極めて楽しそう。いや、めちゃくちゃ大変なのは分かってるけど。
と、まるで実話を読んでるかのようにリアルにマークの存在を感じ、故にどっぷり感情移入しながら読んだ。マークと同じように驚き、同じように喜び、同じように落ち込んだ。
しかしながらマークは正に七転び八起き。どんな困難に見舞われようとも決して諦めることはなく、常にミッションがどうやったら成功するか、成功に最も近付けるかを考え続け、行動し続けた。
これから『尊敬する人は?』の問いには「マーク・ワトニー」と答えたい。それくらい本当にすばらしい。
いやー、マーク・ワトニーに幸あれ。そして火星に希望あれ。