NHK朝ドラ、"舞いあがれ!"。桑原亮子、佃良太、嶋田うれ葉、脚本。
引っ込み思案ですぐ熱が出てしまう小学生の岩倉舞は、家族で飛行機に乗ったら機長が女性だったという夢を見る・・・。
ちび舞ちゃん時代からとてもおもしろかった。五島編はばんばの視線と教えがすばらし過ぎて、毎回涙が溢れた。一太くんのキャラもすばらしかった。そしてちび舞ちゃんは強くなった。
成長した舞ちゃんは大学生になって、なにわバードマンというサークルへ入る。このなにわバードマン編が最高も最高だった。
このシーンなんてもう最終回でしょってレベル。感動に次ぐ感動。舞ちゃんへの思い入れもハンパなく、由良先輩の『岩倉、自分最高やで!』に僕らの気持ちものっかってた。
みんな観ればいいのに!って本気で思ってた。ここまでは。
朝ドラ改革なのかなんなのか、脚本を1人ではなくチームで担当することにしたらしく、ここまでのすばらしい脚本を書いていた桑原亮子から嶋田うれ葉にバトンタッチして航空学生編が始まった。
そしたらこれがそれまでとは全く別のドラマが始まったかのような展開。舞ちゃんも別人のようなキャラ変。いやいやいや、舞ちゃんがそんなタイミングで知らない人(面接直前の柏木)に話しかけるわけないじゃん!って画面の前で憤った。舞ちゃんをいかにも朝ドラヒロインなドジっ子にしようとする演出にも疑問しかなかった。
その後、また脚本が代わる。嶋田うれ葉から佃涼太へ。しかしあまりの低空飛行っぷりから元にまで戻ることはなかった。
唯一よかったのは大河内教官の『岩倉学生、聞こえるか。右を見ろ』のシーン。あれはカッコよかった。思わず声が出たもの。
からの東大阪編。
この頃には月曜日のオープニングで脚本が誰か確認するようになっていた。桑原亮子の文字に安堵する日々。
しかしながら、てっきり舞ちゃんはパイロットになって舞いあがるものだと思っていたから、いつまでも舞いあがらなくてどうしたものかと気を揉んでいた。
そしたら最終週の残り2回であんなことになるなんて。初回からの整合性も取れていて、今まで舞ちゃんが歩んできた道のり、経験したこと、時間を共にした仲間たち、全てが繋がって集約されていた。見事なエンディング。大団円だった。岩倉、マジで自分最高やで。
惜しむらくは、最終週をもうちょっと長い時間をかけて描いて欲しかったかなーって思ったり。それだけ濃厚だったってことなんだけど。
舞ちゃんだけじゃなく貴司くんも久留美ちゃんもよかった。キャラクターも役者も。
めぐみお母さんもすばらしかった。浩太父さんが亡くなった時の演技なんてリアル過ぎてうま過ぎて。
そんな中で見る目が変わったというか、こんなに演技が達者なんだって思ったのが悠人役の横山裕。インサイダー前後の彼の心の移り変わる様をあんなに見事に表現できるんだって感動した。しかも"土スタ"に出た時に演技を褒められてたら『いやいや、全部台本に書いてますから。その通りにやっただけですもん』って言ってて、なんだよこいつ天才かよって思った。
あとその時に高橋克典(亡くなった浩太父さん)がコメントしてて、「『謝らんでもええって。お互い様なんやから』って思いながら観てた」ってのが、天からの声みたいな感じでグッときて泣けた。横山裕も泣いてた。
4年後の2027年にはドラマみたいに空飛ぶ車が実用化されているんだろうか。舞いあがっていたらおもろいやろな。