長岡弘樹著、"教場X 刑事指導官・風間公親"。
益野紳佑が朝食の準備を終えると小学三年生の娘、麗馨がダイニングキッチンに入ってきた。「おはよう」と声をかけてハグをする・・・。から始まる"硝薬の裁き"を含む6編の連作短編集。
解説に書いてある通り、時系列順に読めば『シリーズ全体を通して風間公親という人物の警察官人生が浮かび上がって』くることになる。最後のピースが埋まったことで、まるで最初から計算されていたかのような見事な繋がりが生まれるのだ。
形式は"0"と同じく倒叙ミステリ。最初に犯人が犯行を行うところから始まる。
"0"が大好きなので今作も期待しまくりで読んだんだけど、期待通りおもしろかった。ただ今作は各話のタイトルが凝り過ぎていて、それ故に印象に残りやすく、最後のオチを待たずにトリックというか仕掛けというか謎というかが分かってしまうのが難点といえば難点か。
それでも最終話の"仏罰の報い"は予想の斜め上をいく展開でおもしろかった。しかも"0"の最終話とも繋がっているし、"風間教場"とも繋がっている。平優羽子というキャラクターに俄然深みが出てきた。こうなると時系列順に読み返してみたくなる。
今まで"
教場"、"
教場Ⅱ"として木村拓哉主演でSPドラマ化されたが、この4月からは月9枠で連ドラとして"風間公親ー教場0ー"が放送されるとのこと。これは楽しみ。
そして小説の方は来週、"新・教場"が刊行され、4月からは"新・教場2"の連載がスタートするらしい。これまた楽しみ。
まだまだ続く教場ワールド。楽しみは尽きない。