YouTubeドラマ、馬杉雅喜監督、"おやじキャンプ飯"。京都編、和歌山編。
元中華料理人の坂本明夫はキャンプ場のすみっこでソロキャンプをしていて・・・。
冒頭から焚き火が長々と映し出される。まるで環境映像のように。この時点で悟った。こういう作品なんだと。ドラマというよりはキャンプ映像なんだと。
そしてカップヌードルをのっけから味変して食べる坂本明夫。味変調味料のチョイスからして中華料理人っぽい。
特に説明もなく台詞も少ない。なので映像から勝手に想像するのみ。なんだけど、これが全然不親切に感じない。むしろ観ていて心地いい。
愛想もなくて話しかけられても無視したりする坂本明夫。最初は謎多き人物だけど、ちょっとずつちょっとずつ彼の人となりが分かるシステム。といっても100%分かる訳ではない。30%くらいかな。
かと思えば1話でビデオ通話してる娘が2話で突拍子もない場所にいることが判明したり、謎に大仰な設定もあったりする。
そして毎回、起承転結の承くらいで物語はストンと終わる。不思議な作品。
アマゾンプライムで京都編を観終わって、今作がYouTubeドラマだと知る。そして和歌山編があることを知る。
ということで和歌山編へ。
ゲストが豪華になってる。そしてドラマっぽくなってる。起承転結の承くらいで終わるのは同じだけど、かなり転寄りの承になってる。最終回はちゃんと結まであるし。これは意外だった。
キャンプ場で振る中華鍋が素敵で料理もおいしそう。炒飯とか作りたくなるし食べたくなる。もちろん家で。
主演の近藤芳正がとてもいい。朝のルーティン、ゆる体操からのズボンをずり上げる姿なんて完璧に坂本明夫59歳。見慣れてきたら微笑ましくすらある。あんなに無愛想なのに。
今作もおもしろく観たし、"ヒロシのぼっちキャンプ"も大好き。
だからといって自分でキャンプに行こうとは思わない。家がいい。
そんな私は観るキャンなんだと思う。鉄道好きが撮り鉄とか乗り鉄とかいるように、自分でキャンプするんじゃなくて観る専門のキャンプ好き。
多様性が喧伝される中、私みたいな観るキャンが存在してもいいと思う。