グスタフ・モーラー監督、"THE GUILTY/ギルティ"。
緊急通報司令室のコール音が鳴る。オペレーターのアスガーが電話に出ると・・・。
舞台は緊急通報司令室。主人公はオペレーターのアスガー。物語はこの場所だけで、彼の電話での会話のみで進行する。時間の進行も同じ。
つまりほぼ1人芝居の舞台劇のよう。同じ部屋に5人くらいの同僚オペレーターがいるけど、交わす会話は僅か。電話で会話するのが6人くらい。映像的にはずっとアスガーが電話で喋っている。
それでいて物語はめちゃくちゃ動く。彼と誰かの会話のみで。
映像はないのに想像力を掻き立てられまくって、彼の会話をもとに私の脳内では完全に映像化されていた。演技も演出も見事としか言いようがない。
しかも最初と最後じゃ(脳内で)見えてる景色が全く変わってしまっているという展開の妙。電話越しの事件からアスガー自身の問題へ。そして真実へ。
かなり地味で実験的な作品だけど、詰め込まれた諸々の熱量がハンパないのは確か。
今作はデンマーク映画。ハリウッドでのリメイク作品が昨年公開されている。主演がジェイク・ギレンホールってのがピッタリ過ぎる。リメイク版も観てみよう。