ラナ・ウォシャウスキー監督、"マトリックス レザレクションズ"。
人間離れした身体能力で黒スーツの男たちから逃げる女、トリニティー・・・を傍観していて不信を抱くバッグスたちがいて・・・。
"マトリックス"シリーズの直接的な続編ではなくて異世界での別バージョンだと思い込んでいたら、がっつりシリーズ3作後の話だった。
ネオ・・・っていうかトーマス・アンダーソンはロン毛でヒゲ。"マトリックス"トリロジーという世界的に大ヒットしたゲームの開発者っていう設定。なのでリアルに映画と現実がごちゃごちゃに。
私の場合、最初からあんまり期待していなかったので観終わっても「なるほどー、はいはい」って感じだったんだけど、ワイフはかなり期待していたようで、珍しく『おもしろかった?』って訊いてきた。間違いなく満足していないって証。
まあでもそれはそう。だって映像的なパンチラインがほぼ皆無だもの。"マトリックス"といえばバレットタイムってくらいに、誰もが知ってて誰もが真似した映像のオンパレードだった。それが今作にはない。アクションは派手になってるし物量的にも多くなってるんだけど、画期的で印象に残る何かがないのだ。
で、先日"
マトリックス"を観直した時に「最後がラブなのは〜」って書いたけど、今作を観てはっきり分かった。あれは古臭いとか置きに行ったとかじゃなくて、完全に監督がそう信じていて、最初からそう作りたかったんだってことが。
ていうのも、私は今作の実質的な主人公はトリニティーだと思っていて、シリーズ3作の主人公はネオで男だったけど、あれから今作に至るまでの間にウォシャウスキー兄弟はウォシャウスキー姉妹になっていて(ここ大事です、テストに出ます)、だから女性が主人公の"マトリックス"をやりたくて、女性の強さと同時に、やっぱり運命的なラブってものを描きたかったんだろうなと感じたからである。
そしてそれを確信させたのがエンドクレジット。
監督から父母へのメッセージ、『全ては愛から始まる』ってのを観て、私は「男から女になったけど私たちは幸せで、そんな私たちを生んでくれた両親に感謝します。私たちはあなたたちの愛から始まりました」ってことだろうと解釈した。
つまり、結局のところラブなのである。広義においても狭義においても。マトリックス、それはラブ。
これは愛の物語なのである。
あとチャドを演じているのはチャド・スタエルスキじゃないの?って思っていたらウィキペディア先生にそう書いてあった。これは胸熱。