
真藤順丈著、"宝島"。
戦後の沖縄、基地から"戦果"を抱えて今日も4人は帰ってきた。いつも先頭を走るオンちゃん、親友のグスク、オンちゃんの弟のレイ、そしてヤマコ。オンちゃんはアメリカーに連戦連勝し続けた英雄だった・・・。
直木三十五賞、山田風太郎賞、沖縄書店大賞受賞作。
冒頭からオンちゃんがカッコいいなーと思いながら読んでいたら、いきなり消息不明に。
え?これはオンちゃんの物語じゃないの?と思いながら読み進めたら、そこからはオンちゃん不在の沖縄でオンちゃんの帰還を待ちわびつつも、したたかに生き抜こうとするグスク、レイ、ヤマコの物語だった。
戦中から戦後の沖縄の非常にシリアスな状況が描かれている。時に読むのがしんどくなる程に。その時代を、その場所を、その生活を経験していない者としては迂闊なことは言いたくない。けど、その厳しさや理不尽さや混沌っぷりは痛切なまでに伝わった。
ユンターの語り口調で進む物語に上巻の途中で心が離れそうになったこともあったけど、下巻に入ってからの今までの点と点の繋がりっぷりが凄くて、目の前に一気に物語の核が立ち上がってきた時は震えた。圧巻の一言。最後まで読むと【宝島】ってタイトルにも非常に納得できる。
ヤマトンチュもウチナーも関係なく、同じ日本人として、沖縄の歴史、基地問題をきちんと知らないといけないと強く感じた。