ジェーン・スー著、"生きるとか死ぬとか父親とか"。
77歳の父と42歳の娘である著者だけの2人家族は、元日は墓参りと決まっていて・・・。ノンフィクション。
ドラマで観たなって話もあるし、こんなこともあったんだって話もあるし、実はそういう関係性なんだって知る話もある。ドラマ観賞後の原作あるある。
しかしながら何よりジェーン・スーの文章がキレッキレでグイグイくるのが印象的。そしてその切先を向けている相手は読者ではなく、父親のようでそうでもなく、おそらく彼女自身。
読者はそこに共感して感動を覚えたり、もしくは絶望・・・は言い過ぎだけど、目の前に暗いシェードがかかったようになるんだと思う。
若い頃は嫌いだった父親と2人きり。お願いだから父親より早く死なないでくれと願っていた母親を亡くしたのが18年前。それからは2人家族。
この状況、自分のこととして考えたらかなりしんどい。またこの父親がかなりの問題を抱えているわけで。もう本当にしんどいしかない。
血の繋がりを家族と呼ぶならば、血が繋がっていなかったら家族ではないのか?そうではないはず。てことは逆に血が繋がっていたとしても家族じゃなくてもよくない?・・・というのが私の持論。
なので、ここまでしんどかったら決別すると思う。マジで。だからそれをしない彼女のことを心から尊敬する。
僅かとはいえ、私が買ったこの文庫本の印税が彼女の父親の家賃や生活費に充てられると考えると、彼女を応援したような気分になる。