
ジャスティン・リン監督、"ワイルド・スピード JET BREAK"。原題は"Fast & Furious 9"。
1989年、カーレースでハンドルを握っているのはドムの父親ジャック・トレット。若き日のドムはディレクションをしていて・・・。
現在、ドムとレティ、そしてリトルBの3人が田舎暮らしをしているところに訪ねてくる1台の車・・・。
あのパリピでニトロなスタートではなく、シリアスなカーレースで始まる。それも回想の。この時点で今までとは違うぜって感じがする。
でも大丈夫。パリピでニトロなシーンはちゃんと後でやってくる。それもかなり重要なシーンとして。形式美って大事。
そしてもちろん初登場のドムの父親。・・・は、回想シーンオンリーだからいいとして、前作"
〜 ICE BREAK"ではいきなり息子が登場したけど、今作ではいきなりもいきなりで弟が出てくる。それも敵方として。
なんだこの突拍子もない展開。スピンオフの"
〜 スーパーコンボ"でショウの妹が出てきたのとは訳が違うぞ。ドムだぞ。主人公だぞ。9作目だぞ。1から20年だぞ。なんなら妹もいるぞ。妹もそんな話してなかったぞ。
いやー、ドムのファミリーは広がっていく一方だ。
なんてことを思っていたら、どうしたって絶体絶命の大ピンチでロープがピーンとなって一命(二命?)を取り留めるドム&レティ。まあまあ漫画。
からの。
嘘だろ、ここにきてハンが復活。ハンー、ジゼルが死んでどうしたんだったっけ?まあいい。そんなハンに辿り着くあたりもかなりの漫画。
突拍子もない展開と、それに負けない彼らを観るにつけ、どんどんローマンの『俺たちは無敵なんじゃないか』説が信憑性を増していく。
そしてその真骨頂が終盤。ワイルド・スピード、遂に行くところまで行って・・・って完全に漫画。
もうね、こんなシーンを撮りたいからって脈絡は無視して撮るだけ撮って、物語は後でうまい具合に繋げばよくない?的な、"ミッション・インポッシブル"方式を取り入れたんじゃないかってくらい、ド派手なシーンの嵐。
だって強力磁力マシーンなんて、なんの意味がある兵器なのよ。あれがあそこにあったのって、後のド派手なカーアクションで映えさせるためでしかないじゃない。結末あってのマシーンじゃない。絶対そうじゃない。おもしろいからいいんだけど。
そんな今作、相変わらずお綺麗なシャーリーズ・セロン(髪型が超素敵)、相変わらずカッコいいヘレン・ミレンと、魅力的な女性陣が出ているんだけれども、今作において私が最も推したいのは、ここにきてまさかの初運転のラムジー嬢。

天才ハッカーながら車の運転免許すら持っていないラムジー嬢。ワイルド・スピードなのに。そんな彼女のまとめた髪とサングラス姿がとても素敵。一推し!
ラストはやっぱりファミリー感たっぷり。ブライアンが生きてる世界線なのが泣ける。
そして次に繋がる謎残しエンディング。ここまできたらシリーズ終了も近いのかな。もう行くとこなくなってきてるしな。
なんてことを思いながら待ってる、ワイルド!スピード!