ステファノ・ソリマ監督、"ボーダーライン ソルジャーズ・デイ"。原題は"SICARIO DAY OF THE SOLDADO"。
アメリカのスーパーで多くの民間人を巻き込む自爆テロが起きる。テロリストたちはメキシコ経由でアメリカに密入国したのではないかという仮説の元、CIAのマット・グレイヴァーらが捜査に乗り出す・・・。
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ボーダーライン"の続編。原題の【SOLDADO】は英語の【SOLDIER】で【兵士】の意。ウィキペディアにはスピンオフって書いてあるけど、それはケイトを主人公とみなしてのことであって、前作でアレハンドロが主人公だと思えば今作は完全に続編。
けれど序盤はジョシュ・ブローリン演じるマット目線の物語。彼のふてぶてしさがとてもいい。
そして再び登場のアレハンドロ。新たなるシカリオ物語の始まり。今回はメキシコのカルテルのボスの娘を拉致するってところから始まる。またしてもミッションの内容、つまりは物語の設定が複雑。いかにもテイラー・シェリダン脚本。
更にメキシコの中学生のエピソードが時折挿入されていて、前作でのメキシコの警察官エピソードのように後で絡んでくるんだろうと思っていたらビンゴ。しかも最終的に想定外な着地を決めていた。これは続編があったらもしや、な展開。
いつ何が起こってもおかしくない状況で緊張感は常にバリバリ。何かが起こったことで状況は一変するし、敵味方、正義、善悪までもが一気に反転する世界。これがアメリカとメキシコの国境線付近でのリアルなんだなと思わせる。本当に死がすぐそこにある。
ぼんやりのんきに暮らしている身で、今作を純粋に映画というエンターテインメントとして楽しめる暮らしに感謝せねばと思った。
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ボーダーライン ソルジャーズ・デイ" ★★★★☆