テイラー・シェリダン監督・脚本、"ウインド・リバー"。
夜の雪原を走る裸足の若い女性・・・。
ワイオミング州のネイティブ・アメリカン居留地【ウインド・リバー】の雪原、ベテランハンターのコリーが狩りをしていて・・・。
コリーが雪原での死体の第一発見者となり物語が始まる。
この地からのあらゆる要請はまともに応えてもらえず、今回も派遣されたFBI捜査員は新人の女性捜査員1名だった。これは極寒の地ゆえに交通の問題なのかと思ったけど、ネイティブ・アメリカン居留地というのがネックなんだと後で気付いた。
単なるミステリーではなく、人種問題が根底にある奥深い物語。
キャラクター設定も同様で、コリーの背景も複雑。そしてそれがきちんと後の物語に反映されていく。
雪原の静寂に目も耳も慣れてしまってたところからの、一触即発の緊張感、事の詳細が分かる回想、突然の銃撃戦と、映画的な畳み掛けが見事。
そして最後は友情の話、親子の話として切ない結末。暗闇にわずかな光を感じた・・・と信じたい。
今作は脚本家として名を馳せたテイラー・シェリダンの初監督作品。まだ観ていない脚本作品を観てみたくなった。