NHKドラマ、"半径5メートル"。橋部敦子、藤平久子、川﨑いづみ脚本。
週刊女性ライフの新米編集者・前田風未香はスクープを目前で逃してしまい、一折から二折へと異動することになり・・・。
一折がスクープを狙う花形部署だとしたら、二折は【半径5メートル】の話題、自分たちの身近な話題を掘り下げる地味な部署。
二折に在籍するフリーランスの名物記者・宝子さんとバディを組むことになった風未香の成長譚であり、二折の編集者たちの群像劇。
芳根京子がうまいしかわいいので、それだけで満足。かと思いきや、バディを組む宝子さんを演じるのが永作博美で大満足。一風変わったナイスキャラを好演。
しかも途中で今に至るエピソードがあったりなんかして、よくできてる。
そしてそれがこの2人のエピソードだけでなく、デスクの丸山、同僚の藤川、海老原の回もあって、非常におもしろい。
中でも秀逸だったのは第4話の海老原香織回。この初回から気になりまくっていた海老原香織、演じるのは北村有起哉、つまりはトランスジェンダーなキャラクターの過去と今を描いていて、その秘めたる葛藤や決心にとても心動かされた。
少なくともこの回だけは多くの人に観て欲しいと思った。
最終的に風未香は自分なりの記事を書いて、それが同僚たちにも評価され、大きく成長したってことで物語は終わる。それで山辺というパートナーとは距離が生じてしまったけれども、それも致し方ない。
ドラマの設定として、あくまでも風未香の仕事での成長が最上位にあって、恋物語はそれを支える要素の1つに過ぎなかったから。その始まりから終わりまでを描いていながらも、それで感動させようって姿勢は皆無だったように感じた。
風未香と山辺を演じた芳根京子と毎熊克哉が同クールの"
コントが始まる"にも出ていたのがおもしろかった。流石に混乱はしなかったけど。
そしてそんな北村有起哉をトランスジェンダー役者(?)の元祖ともいうべき尾美としのりは近くでどう観ていたんだろう。気になる。