TBSドラマ、"俺の家の話"。宮藤官九郎脚本。
プロレスのリング上でロープに投げられるブリザード寿。本名は観山寿一で、父親は能楽の観山流宗家にして人間国宝。思春期に家を飛び出して20数年、家とも父親とも能とも無縁の生活をしてきた寿一だったが・・・。
父親の危篤の知らせを受けて実家に帰る主人公・・・ってところから物語が始まる。ホームドラマの王道の幕開け。
プロレスと能というのがホームドラマにしたら突飛な設定ではあるが、親の介護だったり相続だったり兄弟間のいざこざだったり父と息子との関係性だったりと、毎回の物語はホームドラマ王道のそれ。
なのでとんでもなく大きな事件が起こることもなく、それでいておもしろく、時にホロッとするところもありつつ、濃すぎる彼らの家の話を楽しんでいた。
・・・最終回までは。
いやはやなんともクドカン、やってくれたな!
これは【俺の家の話】でありながら、完全に【俺たちの長瀬智也の話】だ。
じゅじゅの口を借りて紡ぎ出された言葉の数々は、まんま長瀬智也へのラブレターであり、感謝状であり、贈る言葉であり、餞けである。クドカンの愛がギュウギュウに詰まっていた。
セックス・シンスならぬ"シックス・センス"な気もするけど、それより"
カメラを止めるな!"の方がより近い気がする。ここ数回の諸々が伏線だっただなんて全く思いもしなかった。
ずっと耐えられていたけど、最後の『いただきます!』では流石に涙が出た。やっぱりあの『いただきます!』じゃなきゃ。あそこの設定、マジで最高だ。
さよならブリザード寿、さよならスーパー世阿弥マシン、さよなら観山寿一、そしてさよなら長瀬智也(インスタをフォローした)。