長岡弘樹著、"風間教場"。
朝一番の校舎内を歩く風間公親。今日も少し緊張して掲示板を眺める。三月の最終週、次期学生の入学を控えていて・・・。
"
教場"、"
教場2"、風間公親の過去を描いた"
教場0"、そしてシリーズ4作目となる今作。今までの連作短編ではなく、初の長編である。
はてさて今度はどんな不穏な物語が待っているかと思いきや・・・。
まず、いきなり風間公親の目線、心情が描かれていることに驚く。これまでは必ず生徒や他の人物からの目線で描かれており、主人公なのに彼の心情は露わにされなかった。それによって風間公親のカリスマ性や神性は保持されていると感じていた。
なので、この神が人間界に降りてきたかのような設定に驚いたのである。
と、驚きつつも読み進めていくと、それでもやはり風間公親は風間公親で、その感覚は鋭敏なままであった。
そんな中、物語に既視感ならぬ既読感を持つ私。しばらくして、あら?これって先日観たキムタク主演のドラマ"
教場II"じゃないの!と気付いた。
てっきり小説の"教場2"のドラマ化だと思っていたので、自分はこんなにも"教場2"の内容を覚えていないんだなーと新鮮な気持ちで観ていたんだけど、それもそのはず。読んだことなかったんだもの。初見だもの。
漆原が出てきたところで名前に覚えがあるなと思ったし、彼が走り出したところでもう確実にそうだと分かった。なんてこったい。
なので物語の展開もまあまあ読めてしまうこと多し。そりゃそうだ。観たし。全部が全部じゃないんだけど。設定を変更してるところもあったし。
やってくれたのーフジテレビ。素直に"2"からドラマ化してくれよ。
ドラマ"教場 II"の感想文の最後で、来年"0"をドラマ化して、この"風間教場"は映画化って流れが〜なんて書いていた私が実に滑稽である。ちっくしょー!
とはいえ、まあまあおもしろく読み終えたところで帯裏にこの文字を発見。
私の大好きな"0"の続編!これは楽しみ!文庫化を待たずに買ってしまうかも!ひゃっほい!