ジョーダン・ルービン監督、"ゾンビーバー"。原題はまさかの"Zombeavers"。
産業廃棄物的な薬品を車で運ぶ配送業者の男2人。勤務態度も運転マナーも素行も悪く、気付いたら目の前に鹿がいて・・・。
タランティーノ的な会話劇で始まって軽く期待を裏切られる。もっとしょうもない映画だと思っていたから、意外としっかりした作りに「ほほう」となった。
それはタイトルも同じ。絶対に日本オリジナルのバカ邦題だと思っていたのに原題のまんま。これにまずびっくりした。
で、ここからどうなるんだろって思っていたら、ゾンビ映画というかB級ホラーにありがちな、彼氏に浮気された友人女子を慰めるために女友だちだけで週末を郊外のロッジで過ごす設定が登場。いい!それでこそゾンビーバー!期待していた展開!
で、めちゃくちゃスタイルのいい3人の女の子が湖と呼ぶには透明度がなさ過ぎる沼に水着でヒャッホーな流れ。しかも1人が非常に奔放なキャラで、いきなりトップレスになって観ているこちらもヒャッホー。ありがとう、ソンビーバー。
そう、ここら辺でやっとビーバー。巣の周りには緑色の薬品的な何か。これがあれでどうしてこうしてビーバーがゾンビになるんでしょってのが読める。読めたっていい。読めるのがいい。それでこそゾンビーバーだもの。
と思っていたのに、これが意外と物語がしっかりしているというか、脚本がちゃんとしているというか、ここから二転三転していく。タイトルからして舐めていたら、全然普通におもしろい。ごめんよ、ゾンビーバー。
しかもビーバーの習性や能力がちゃんと展開に活かされてるからまたびっくり。ビーバーって水中と陸上じゃ動きが全く違うらしいっす。
そんな感じのゾンビーバー、終盤は急転直下でいきなり怖い。マジビーバーフィーバー。
フィーバーしまくっての最後、"狂い咲きサンダーロード"か"エル・マリアッチ"かって感じのラストになるのかと思いきや、きちんときれいにオチがついた。お見事、ゾンビーバー。
ほぼコメディかと思っていたら、ちゃんとホラーサスペンスだったし(バカバカしいけど)、途中でエロもあり(ありがとうございます)、最終的にきちんとコメディとして昇華するという期待以上の仕上がり。やるじゃん、ゾンビーバー。
てな感じで私はとても楽しめましたけど、だからといってオススメはしません。観る方は自己責任でお願いします。