チョ・ギュジャン監督、"目撃者"。
真夜中に走る黒塗りの車。ガソリンスタンドで給油をする際、店員は不穏な空気を感じた。実はそのトランク内には手を縛られた女性がいて・・・。
会社員のサンフンは買ったばかりのマンションに泥酔して帰宅。悲鳴が聞こえたような気がしてベランダに出て外を見ると・・・。
冒頭から緊張感とスピード感がハンパない。そしてそれがずっと持続する。
正直、話にしても人間の描き方にしても浅い。けれどそれを凌駕するほどの疾走感がある。
韓国映画って、走るイコール怖いってイメージ。ゾンビにしても犯罪者にしても走るスピードが速いし、その走り方もエグい。あんなのに追いかけられたら観念せざるを得ない。
この映画の犯人もそう。また台詞がないから尚更怖い。何を考えてるのか全然分からないし。
そんな犯人に立ち向かう?逃げ続ける?スタンスの主人公サンフンが、私が今まで観たことがない役者さんで、非常に「ぽい」おじさんなのがナイスキャスティング。
と思ったら刑事役がめちゃくちゃパンチの効いた役者さんで、ビジュアル的にかなりクセがスゴい。コントのキャラかと思ったもの。登場の際、一瞬ちょっと話が入ってこなかった。
諸々あって最終的にいろんな要素を詰め込んだ終わり方。漫才の最後の「もうええわ」のような、うまくまとめた感があった。悪くはないけど、ちょっといやらしい。
でも結果、2時間弱でこのくらいの内容というのは非常に観やすいなーと思った。