ジョン・G・アビルドセン監督、"ベスト・キッド"。原題は"The Karate Kid"かと思いきや、日本での劇場公開時は"The Moment of Truth"だったみたい。
ダニエルは母親の仕事の都合でニュージャージーからカリフォルニアへ引っ越す。すぐに同じアパートのフレディと友達になって一緒にビーチパーティーへ行き・・・。
劇場公開時、私は中学生。けれど映画館ではなくテレビで観た印象が強い。なんならこのオリジナルじゃなくてパロディやコントで観た印象が強い。
そのくらいダニエルの特訓風景は名シーン。ワックスオン、ワックスオフ。
そんな印象で今作を観直してみたところ、ダニエル、最初の引越しシーンで数名の見送り女子がいてモテモテだったのが分かる。
どうりでカリフォルニアに引っ越してきてからも、すんなりアリにアプローチできたわけだ。二枚目だしスタイル抜群だしサッカーもうまいもんな。結構なハイスペック。しかも全然チキンじゃない。最初の喧嘩で相手に向かって行ってパンチを浴びせてるもの。アリを守ろうとして。唯一の残念なスペックとしては、ちょっと家が貧乏なくらい。でもこれはピュアな青春の元では問題ない。
からのミヤギ登場で空手の特訓に入る。ここはやっぱり名シーン。理由を訊けずにやらされていた雑用が空手に活かされると知った瞬間が最高。
そしてミヤギがダニエルにあれこれ優しいのは、ダニエルのお母さん狙いなのか?などと下衆の勘ぐりをしていた私。ちゃんとミヤギのバックボーンが語られ、おそらくミヤギは会うことさえなかった子供の姿をダニエルに重ねているんだろうなと思って、なんかすみませんってなった。本当にマジですみません。
そんなこんなで3分の2くらいまで非常におもしろく観ていた。そしてクライマックスの空手大会。
ここからの展開が速い。ていうか雑。ダニエルが最初の頃より頼りなく映る。にもかかわらずダニエルが順調に勝っちゃう。試合の経験も勘も全くないのに。
最後の最後、鶴の構えでキメるのはいいけど、もうちょっと見せ方があったんじゃないかなと思う。あまりにもあっさりし過ぎ。負けたジョニーも急に手のひら返しで『君が真の勝者だ』とか。こうなるとコブラ会の先生に土下座くらいはしてもらわないと納得できない。もうちょっと尺を割いてもよかったと思うんだけどな。
逆に言うと、そこまでを丁寧に描いていたからこそおもしろかったってのはあるんだろうけど、私的には試合になってから完全にトーンダウンした。★半個分はトーンダウンしたな。
実は今作を観返したのには理由があった。Netflixで配信中の"コブラ会"を観たいがためである。
今作の正当な続編である"コブラ会"。この34年後の設定にして、ダニエルとジョニーがちゃんと出てくる"コブラ会"。楽しみである。待ってろ、"コブラ会"。