ダン・ギルロイ監督・脚本、"ナイトクローラー"。
深夜、線路脇で鉄条網を切断しようとしている男。警備員に咎められるが・・・。
ずっと観ようと思っていながらも、どうにも主演のジェイク・ギレンホールの見た目とスチール写真から物語を予想するに、絶対にラストが気持ち悪い気がして手を付けられずにいた。
そしたら"
MIU404"でRECの配信番組のタイトルがナイトクローラーチャンネルで、最終回では今作のポスターがドーンと出てきて、これは意を決して観るべき時が来たと勝手に思った。観て大正解。すんげえおもしろかった。ラストが気持ち悪いこともなかった。ただ衝撃的ではあった。
ナイトクローラー、直訳だと夜間に行動する人って意味みたいだけど、今作的には夜間に報道スクープのための事件や事故を求める人って意味。
警察無線を傍受して一刻も早く現場に到着する。そして特ダネ映像をものにし、それをテレビ局に売るというのが流れ。
ジェイク・ギレンホール演じるところのルーが、貧困に喘ぎ犯罪にまで手を染めていたにも関わらず、ナイトクローラーとして動き出すとメキメキとその存在感を増していくところがおもしろい。と同時に怖い。彼の底知れなさ、薄情さ、人に対する姿勢に不安が募る。
そしてその悪い予感は的中する。テレビ局が彼に求めるものもエスカレートしていくが、それ以上に彼の撮影意欲の方がエスカレートしていく。
2時間弱、息をもつかせぬ展開であっという間。緊張感もハンパない。
暗く、じめっとしているテイストがジェイク・ギレンホールの風貌と相まって、ルーの狂気を倍増させていた。これを観たらジェイク・ギレンホールの"
ジョーカー"もアリなんじゃないかと思えた。
ラスト、予想外のハッピーエンドだったのが非常にシニカルで笑えないコメディみたい。てことは、やっぱり"ジョーカー"とか"
キング・オブ・コメディ"と近似性あるな。うむ。