森谷司郎監督、"日本沈没"。原作は小松左京の同名小説。
かつて地球上の陸地は1つだった。それが長い時を経て分離、移動して現在の形になり、日本列島ができたのが約300万年前と考えられる。
太平洋の小島が一夜にして水没したことを受け、地球物理学者の田所博士は現地調査に赴き、小野寺が操艇する深海調査艇わだつみで日本海溝に潜る・・・。
先日観た"
日本沈没2020"があまりにもな出来だったので、堪らず治まらずに実写版を観た次第。
いやー、噂に違わない全くの別物。別の話。起こった事象は同じなんだろうけど、こちらは日本政府側の話で、あちらは一家族の話。同じ原作でも角度と視点でこうも違うかってレベルではない。オリジナルと曲解したカバーくらい違う。例えるならブルーハーツの"
未来は僕等の手の中"とブルーハーブの"
未来は俺等の手の中"くらい違う。まあこれに限ってはどっちも名曲だけど。
いきなり出てくる田所博士を演じるところの小林桂樹がギラついてるのが新鮮。私の生まれ年である1973年の作品なので、まだまだ若い。私の知ってる小林桂樹は好々爺だったり物分かりのいい上司だもの。
それからすると小野寺を演じる藤岡弘は完全に藤岡弘、だな。まだ藤岡弘、じゃなくて藤岡弘の時代なのに。あと、いしだあゆみがきれい。丹波哲郎もかなり総理大臣っぽい。
50年近く前の作品なので、さすがに特撮部分はちゃっちく観えるけど、それを凌駕する物語の太さがある。日本が沈没してしまうから日本政府が1人でも多くの日本国民を助けようと国家レベルで躍起になるというのは、かなり壮大な話である。フィクションなのに、ここまで壮大だと逆にリアリティーを感じる。
ああ、日本が沈没だなんてことになったらどうしよう。・・・本当にそうなったところで、どうすることもできないだろうから、来るか来ないか分からないその日まで楽しく生きよう。そうしよう。