
宮部みゆき著、"さよならの儀式"。
ロボットのおかげで日常の雑務をやる必要がなくなった世界。汎用作業ロボットを回収に出したばかりの女性が回収した事務所にやってきて・・・。
と始まる表題作を含む全8作からなるSF短編集。
宮部みゆき、20代の頃に"魔術はささやく"、"レベル7"、"龍は眠る"、"火車"、"理由"を読んで以来だと思う。
そんなに好きな作風ではないんだけど、語るうまさ、みたいなものがあるから読み始めたらどんどん読み進めてしまう。
なので今作も大丈夫だろうと手に取ったんだけれども、内容がSFだと知って若干の違和感と危惧があった。
果たして、その違和感と危惧は正しかった。
どうにも読み進めるのが億劫。短編集なので1作ずつ読んだんだけれども、1作読み終えて、じゃあ次ってならない。
どの作品もすっきりしないというかカタルシスを得られないというか、まあまあモヤッとした感じで終わる。
なのでその記憶が薄れるまで間を空けないと次作を読み始められない。ということの繰り返し。
まあ時間がかかったわー。文章は平易で読み易いのに。こんなに時間がかかるだなんて。一時はもう諦めて次の本に手を出してしまおうかと思ったくらい。結局、読み終えたんだけれど。
私感としては「宮部みゆきとSFって相性悪くない?」ってのが実感。そしてパラパラッと読み返しても全く内容を思い出さない。
次こそは没頭できるような小説を読もう。
あ、珍しくカバーがないのは手元に来た時には既になかったからです。

"さよならの儀式" ★★☆