
韓国ドラマ、"秘密の森"。イ・スヨン脚本、アン・ギルホ演出。
子供の時の脳手術が原因で感情の起伏が乏しく、理性のみで行動する冷徹な検察官ファン・シモク。訪ねた家で男性の死体を発見し・・・。
2017年の韓国ドラマ、おもしろいらしいと聞いてNetflixで鑑賞。各話60分〜80分の全16話。
初回の開始15分でおもしろいと確信した。主人公ファン・シモクの聡明さが光る。
で、このファン・シモクが刑事だと思っていたら実は検察官で、韓国の検察官の権力の大きさを知った。警察よりも強力な捜査権を持ってるっぽい。
てのを観ながら感じていたら、先日、あまりにも韓国の検察の権力が大きいから捜査指揮権を廃止したってニュースを見た。タイムリー!そしてさもありなん。
最初の殺人事件は割と簡単に解決するかに見えたが、実はそれは深遠な闇の入口に過ぎなかった。そこから物語は全く想像していない展開を繰り広げていく。小さな雪玉が転がっていくうちに大きくなっていくように、どんどん話が大きくなっていく。
勝手にファン・シモクとハン刑事(ペ・ドゥナちゃん)が難事件を解決していく1〜2話完結のバディものだとばかり思っていたので、この展開を意外に感じたし、この調子で16話もいけるの?と危惧しながら序盤を観ていた。
全くの杞憂だった。
全16話、ずっと濃厚だった。緊張感と謎が途切れることなく提供され、最後の最後まで引き付けられた。極上のクライムサスペンス。そして同時に秀逸なヒューマンドラマだった。
そう、結局、描いていたのは事件ではなく人間だったんだなと最終回で思った。全てが解決した後、きちんとそれぞれのキャラクターに決着をつけさせていた。あそこに脚本の奥深さを感じた。
それと1人1人の目線でプレイバックする演出、あれはいい。目線の違いがおもしろいし、何より分かりやすい。
いやー、とてもおもしろかった。TVドラマでこのクオリティーでしょ。そりゃ、"
パラサイト 半地下の家族"でアカデミー賞を獲るわ。脱帽。
唯一の問題は登場人物の苗字が同じ人が多い問題。特にキムなんとかさんが多過ぎて、最後の花を贈ったキムさん、どのキムさんなのかピンとこなかったもの。お国柄なのかもしれないけど。
お国柄で言うと、韓国の人ってすぐ電話するのかな。みんな、かなり頻繁に電話してたし、かかってきてた。
そしてそのせいでファン・シモクがかなりの確率でご飯が食べられなかったのがおもしろかった。途中から気になって気になって仕方なかった。
そんな"秘密の森"、只今シーズン2を撮影中とのこと。ナイスタイミング!
ファン・シモクとハン刑事にまた会える。めちゃくちゃ楽しみ!