
テレビ東京ドラマ、"コタキ兄弟と四苦八苦"。野木亜紀子脚本、山本敦弘監督。
元予備校教師の古滝一路は独身で実家住まいで現在無職。近所の喫茶店シャバダバに入り浸り、お店の看板娘・さっちゃんが気になっている。8年前に勘当した弟・二路が家に転がり込んできて・・・。
安心の野木亜紀子脚本ということで予備知識なく観始めた。
第1話を観て、一路と二路のコタキ兄弟がレンタル兄弟親父として依頼を解決していく1話完結ものだと理解した。
各話のタイトルが【苦】にまつわるもので、人の暮らしというものは苦に満ちており、なかなかに辛いものだなと思いながら観ていた。
どの話も非常に印象的でおもしろく、それでいて人の業をさらっと描いていて、さすが野木亜紀子脚本だと更に信頼を厚くした。
そんなところでターニングポイントの第8話。シャバダバの看板娘にしてドラマにおけるヒロイン、さっちゃんにフォーカスが当たる。
この回での主演2人、古舘寛治と滝藤賢一の演技が凄い。おじさん同士の入れ替わりをお互い見事に演じ切っていた。役者の演技力の凄さってのを目の当たりにした。芳根京子もがんばっていたけど、おじさん2人は格が違った。
そして、てっきり1話完結だと思っていたのに縦軸になる物語が存在したことが分かる。なんとなんと。
ここから家族の物語にシフトしていく。洒脱な構成。ものの見事にズブズブとハマってしまった。
なので最終回の「ただいま!」『おかえり』は、観ていて「はい100点!」と言葉が出た。そしてあのオープニングだもの。最高じゃないの。
今期のオープニング大賞を決めるとすれば、間違いなく"コタキ兄弟と四苦八苦"と"
映像研には手を出すな!"のW受賞。耳にも目にも残る。本当に最高。
そんな最終回は【愛別離苦】。当然さっちゃんのことだろうと思っていたら、そうか、そういうことか。そしてそのオチ!続編作れる!ないだろうけど!
なんか最終的にしみじみよかったな。この最後まで知った状態でまた最初から観たい。違う見え方がするはず。
何はともあれ、さっちゃんに幸あれ!(今期2回目)