
TBSドラマ、"テセウスの船"。高橋麻紀脚本。原作は東元俊哉の同名漫画。
平成元年に起きた21人を毒殺した音臼小事件。その犯人・佐野文吾の息子である田村心は、結婚して新たな生活を手に入れようといていたのだが・・・。
タイトルはギリシャ神話に由来する。英雄テセウスの船を後世に残すために朽ちた部分を新品に交換していき、その全てが新品になった時、それは同じ船と言えるのか?というパラドックス。
予備知識なしで初回を観たもんだからひっくり返った。めちゃくちゃおもしろかった。まさかの展開。まさかのタイムスリップ。
そして理解した。過去に戻って作り直した家族は本当の家族たり得るのか?という、まさにテセウスの船な物語なんだと。
ワイフにも勧めたもの。とりあえず初回を観てんと。そしたらワイフも大興奮。
そして第2回は、ほうほうって感じ。からの第3回でまたまさかのタイムスリップ。そしてまさかの展開。おもしろいー。
だったんだけど、真犯人は誰だ?って展開になってから徐々に失速。みきおがああしてこうして黒幕がどうしてこうしてってなってさらに失速。文吾と心のボンクラっぷりがどんどん露呈していくし。単独行動すなよ!そして下手くそなミスリードが多過ぎじゃあ(千鳥ノブ)。
以下ネタバレ
ええと、まずは霜降り明星せいやに謝りたい。
彼だけはないと思っていた。あのキャスティングで彼が黒幕のはずがないと。だって荷が重いじゃないの。連ドラ初出演で最後にドーンと全てを引き受けるのって。演技力も未知数だし。
そしたらまさかの黒幕せいや。しかも思っていた以上に演技がうまかった。ちゃんと黒幕していた。
みくびっていてすまん、せいや。
とはいえ、である。
なんで最後、心は元の世界に戻らないの?そこは戻って元気な由紀と未来との再会じゃないの?もちろん家族もみんな幸せに暮らしていて。それでこそのテセウスの船なんじゃないの?
てことは結局、元の世界じゃ由紀が死んで心もいなくなってて、誰かに預けられたままの未来がいるってこと?それとも過去が変わったことで違う世界になってるの?もしかして何事もなく幸せに心は生きてるの?
ああ、タイムパラドックスって難しい。
でもさ、タイムパラドックスは置いといてさ、過去からの地続きの世界で【未来】って名前はおかしくない?今まで不幸ないろいろがあったからこその未来じゃなかった?文吾が言うのは分かるけど、心もそうしようと思ってたってのは腑に落ちないんだけど。
と、そんな最終回、ワイフと2人でオンタイムで観ながら、このブログ以上にあーだこーだ文句タラタラだった。
初回がおもしろ過ぎたな。そしてフーダニットにしたのが失敗だったな。もっと人間ドラマにした方がよかったな。
にしても麻生祐未は怖かったなー。最後の最後まで。あの芋羊羹は食べられないわ。
ごきげんよう。