
サム・メンデス監督、"1917 命をかけた伝令"。
1917年、第一次世界大戦下のフランス、若きイギリス兵のブレイクとスコフィールドに極めて重要な任務が与えられる。それは突撃間近の最前線へ、作戦の中止を伝えるという任務だった・・・。
凄い。ただただ凄い。映像体験として凄い。「おもしろい」って言葉を軽くぶっ飛ばすくらいの映像としての凄さがある。圧巻の一言。
全編ワンカットのふれ込みは伊達じゃなかった。2人が画面から見えなくなったり暗転したり水中シーンがあったりするから、ここまでがワンカットかな?ってポイントはいくつかあったけど、それでもワンカットの長さは凄まじい。
ゆえの緊張感が半端ない。しかもカメラワークが2人の前後左右を縦横無尽に移動していて、どうやって撮影しているのか分からない。それゆえの臨場感も半端ない。本当に彼らに同行している感覚になる。
だから彼らが嫌悪感を示すところは我が事のように嫌だし、びっくりするところは心の底からびっくりするし、なんならちょっと声が出た。映画館なのに。
なので瞬間的、表層的に戦争を疑似体験した気になる。戦争の命を軽んじる様に言葉もないし、命令の個人を没す様に嫌気がさす。最前線は地獄だ。
観終わってまず思ったことは、これよくアカデミー作品賞を獲らなかったなってこと。いや、作品賞だけじゃなくて監督賞も獲ってておかしくない。
それだけ
"パラサイト 半地下の家族"が強かったってことかもしれないし、アカデミー自体の考え方や価値観が変わってきてるってことなんだろう。ちょっと前なら絶対に今作が獲ってたと思う。
ちなみに今作はアカデミー撮影賞、録音賞、視覚効果賞は受賞してる。これは当然も当然。獲ってなきゃ嘘。
緊張感と臨場感で観ているこっちも身体が強張ってガッチガチの130分。
だからこそ最後のカタルシスも半端なかった。傑作。凄い。