NHKドラマ、"少年寅次郎"。岡田惠和脚本。原作は山田洋次の小説、"悪童"。
昭和11年、世間を揺るがした226事件の前夜、柴又は帝釈天の参道にある団子屋【くるまや】の軒下に生まれたばかりの赤ん坊が置き去りにされて・・・。
一言で説明すると"男はつらいよ"のエピソード0。ご存知フーテンの寅さんこと車寅次郎の幼少期が、そして如何にして寅さんになったかが描かれる。
とはいえ私、"男はつらいよ"を1作も観たことがない。映画館では当然のこと、テレビで放送していたのも観たことがない。
なのになぜ観たかといえば、脚本が岡田惠和だったから。
で、いざ観始めてみたら、観たことがない寅さんの世界のはずなのに、ちゃんと後の寅さん、さくら、おいちゃんとおばちゃん、御前様という主要登場人物だってのが理解できた。観たことがなくてもどこかで刷り込まれている、それが寅さんなのだ。
寅次郎役の子役が後の寅さんである渥美清にちゃんと似ている。そして愛嬌があって、仲間思いで家族思いっていう性分。寅さんというキャラクターから逆算して作られているのが本当にいい。
そして井上真央演じるお母さんがとっても素敵。きれいで優しくて。血の繋がっていない寅次郎を『寅ちゃん、寅ちゃん』って本当の息子以上にかわいがって。
逆に父親はめちゃくちゃクズだったけど。で、それゆえに寅ちゃんは寅さんになるんだけど。
こうなると"男はつらいよ"を観てみたくなるなー。
映画館では新作である第50作が公開中だし。初めてでそれを観てみるのもありかな。
いやでもとりあえずは第1作か。「あの寅ちゃんが!」ってなるかな。楽しみ。
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少年寅次郎" ★★★★☆