日曜日の桃月庵白酒・こはく親子会。
毎年恒例、ゆるいと亭による鹿児島寄席。10周年となる今回は、桃月庵白酒とお弟子さんで二つ目の桃月庵こはくによる親子会。
まずはこはくさん。
なんだか誠実そうな見た目。着物を着ているからお盆にお経をあげにくる若いお坊さんのように見える。
と思っていたら枕で林家三平をディスるあたり、毒っ気があるのは師匠譲りのよう。
話し方は流暢だし滑舌もいいし、あとはこはくとしての色艶だなーと感じた。
演目は前の親子会で白酒師匠もやってた"子ほめ"。弟子が親子会で"子ほめ"をやるのは落語あるあるなのかも。
続いて白酒師匠。
もう出てきただけで笑える。あの丸っこいフォルムからして笑える。枕の枕のよう。
枕では2人だと責任が半分になるから楽だとかなんとか。
噺が始まって、いきなり杢兵衛さんの訛りっぷりがおもしろい。白酒師匠、こういうの本当に上手。
と思えば廓の使用人、花魁も上手で、やっぱり二つ目とは全然違うなと思う。
そんな噺を聴きながら、この噺知ってるなーと思っていたんだけど、何で誰の噺を聴いたかのかは思い出せず。
そしたら終わって仲入りになったら隣りのワイフが言った。『これって"落語 THE MOVIE"で観たよね。前田敦子が出てた。』
はいはいはい、なるほど。だから知ってたのか。最後のお墓の情景が目に浮かんだのもそのせいだわ。
そんな演目は"見立て"。
仲入り。
こはくさん、枕はほぼなく噺へ。
火事と喧嘩は江戸の華の火事がメインの噺。これも人情噺になるのかな?と思いながら聴いていた。
火事になったら火消したちがいてこうでこうでっていう江戸時代の火事の説明のような噺。
演目は"火事息子"。
白酒師匠、今のこはくさんの噺は【人情噺風】って言っていたのが腑に落ちた。
で、落語って基本的にどうでもいい噺ばかりなんだけど、今の噺は江戸時代の火事の様子を知ることができる、落語にしたら珍しくタメになる噺とのこと。さもありなん。
そんな流れから逆にどうでもいい小噺を披露。猿の取り調べの小噺、よくできてる。オチで会場内めちゃくちゃウケてた。あれが本当の爆笑。
あとなんだっけ、何かの流れで前日に捕まった人の話になって、自分は大河に出てなくてよかったって言いながら。
噺へ。白酒師匠、慌てふためく人が似合う。バタバタする人、うまいわ〜。
だからそんな壺売りが非常に滑稽でいて、なんかちょっと不憫で。そしてサゲってそんななんだ。破茶滅茶。
演目は"壺算"。
白酒師匠、親子会で2人だから責任が半分になるって言ってたけど、師匠との親子会ならそうかもだけど、弟子との親子会だと逆に責任が倍になるんじゃないかな。弟子の噺がちゃんとウケてるか気になると思うもの。
こはくさん、"火事息子"の枕のあるところで、びっくりするくらいスベってたもんな。会場中がキョトンとしていたもの。シーンって音が聴こえたもの。ゴリパラで言うところの【銀河】だったもの(スベり過ぎて立っていられずに無重力になるの意)。
あの下ネタは伝わり辛いし、伝わっても笑いにくい。気付いたこっちがドキドキしたわ、ま組ら組。
まあでもそんなこはくさんがいつの日か真打に昇進して、成長した姿で再び白酒師匠との親子会があったらいいな。
とりあえず白酒師匠は今回も最高だったってことで。
ごきげんよう。