チャド・スタエルスキ監督、"ジョン・ウィック:パラベラム"。
前作のラスト、聖域であるコンチネンタルホテル・ニューヨーク内で殺人を犯してしまったことから、支配人のウィンストンに追放を言い渡されたジョン・ウィック。ただし1時間の猶予をもらった。雨のニューヨークをジョン・ウィックと犬(名前はない)は走って逃げるが・・・。
第1作では犬を殺されたことへの復讐をした結果、ロシアンマフィアを潰してしまった。
続く
前作では車を取り戻しに行ったら、なんだかんだでイタリアンマフィアを殺してしまった。
思い返せば発端はたまたまだった。伝説の殺し屋はおとなしく余生を過ごしていたのに。愛する妻に先立たれ、その置き土産の犬と暮らしていただけなのに。
伝説の殺し屋は哀しみの深さゆえに復讐の鬼と化し、また殺し屋家業に戻らざるを得なくなった。
そしたら今度は守られていた状況からの追放。つまり狙う立場から狙われる立場になってしまった。しかもジョン・ウィックの命に付けられた金額は1400万ドル。ニューヨーク中の殺し屋が襲ってくること必至だ。
決して逆らえない大きな組織の存在、ゆえにある約束事、殺し屋同士のリスペクトっぷり、そして個人の命の軽さ。日本の戦国時代に似た状況だなと思った。
それもあってか、きゃりーぱみゅぱみゅの"にんじゃりばんばん"をBGMにして平家って寿司屋が出てきて、ここの主人と弟子が最強の殺し屋だったりする。日本人の設定なのに日本語が下手って点はご愛嬌。
そんな中でのジョン・ウィック。今作でもまたしても特異なハードアクションがてんこ盛り。のっけからスゴい。本の使い方!そして馬の使い方!
活躍するのは馬だけじゃない。ジョン・ウィックと言えば犬。けれど今作で活躍するのはジョンの犬ではなく、血の誓印によって助力を求めたソフィアの犬たち。
ソフィアと犬たちによるアクションシーンは間違いなく今作の白眉。すんばらしい。真剣に犬を飼いたくなる。それも2匹(とはワイフの弁)。
復讐者はいつしか逃亡者となり、なぜジョンは戦っているんだろう?という疑問が湧いた。
その答えは愛ゆえだった。自分が生きていれば妻との記憶も残っている。自分が死ねば妻との記憶もなくなる。だから死なない。生きるしかない。妻との記憶を守るために。
あぁ、もう最高だ。ジョン・ウィック、生きて生きて生きて1分でも1秒でも長く生き伸びて欲しい。そのためには修羅の道を歩き続けなくちゃならないけれど。
このラストだと間違いなく続編があるし、となると主席連合との全面戦争確定か。期待値MAX。
そして冷静に振り返ると、第1作の冒頭から今作のラストまでって、ほんの2、3週間くらいの話だってことに気付く。それも色々とスゴいな。
ジョン・ウィック、そして犬、また会おう。