7年前に結婚して今の家に住み始めて、それまでと通勤路が変わった。
新しい通勤路には持ち帰り専門の間口の狭い焼鳥屋さんがあって、老夫婦が2人で営んでいた。
コンビニやスーパーにはない昭和な雰囲気が残る素敵店。
通勤の際に何本か串を買い、帰ってからのダレヤメのアテにすることが多かった。串じゃなくて唐揚げや皮酢の時もあった。
串しか頼んでないのにサービスで唐揚げが入っていたことも度々あった。閉店間際に行く者の特権てヤツ。
昼間に行ってかしわ飯を買って、我が家のランチで食べることもあった。この季節だと素麺と一緒にとか。
そんなにしょっちゅう行くわけじゃないけど、気分次第でふらっと立ち寄れるお店だった。
去年だったか張り紙がしてあって、旦那さんが病気で長らく休んでいた。数ヶ月そんな状態だったけど、ちゃんと復活した。
また買いものに行って、前と変わらないなと思って安心した。
けれど今年になって、また張り紙がしてあって長らく休んでいた。
先日、お店の前にトラックが止まっていて、大きな荷物を出していた。気になったけど、その時は通り過ぎた。
その日の帰り道、お店の前を通ると張り紙がしてあった。
やっぱりというか、閉店のお知らせだった。45年(!)の営業に幕を下ろした。旦那さんが5月に亡くなったんだそう。
「お疲れ様でした」って言葉しか出てこない。
ああ、またあのつくね食べたかったな。香味揚げも。
ごきげんよう。