春風亭一之輔の独演会へ。
まずは前座の春風亭与いち。
声は通るし聞きやすい。物語の内容も分りやすい。
でもやっぱりそれ以上の何か、色みたいなものが欲しいなーと思う。
噺は"牛ほめ"。私は忘れていたけどワイフが覚えていた。前に
桃月庵白酒の噺を聴いていた。
そして春風亭一之輔。
割とダラダラとした感じでしゃべるんだけど、このおしゃべりが非常におもしろい。
昨年の独演会の時に隣りの市民文化ホールではJUJUのコンサートがあったそうで、その顛末が非常におもしろかった。挙げ句の果てにはJUJUホールって言ってたし。
鳩山由紀夫に叶姉妹、ダイヤモンド☆ユカイで不愉快、後ろが麻生でも椅子は倒す。次から次に新幹線でのエピソードが出てくる枕。
からの流れで『旅はした方がいいですよ』ってところで噺へ。
噺家が旅していたら宿屋がなくて、泊めてもらった家の近くの魚がとても安くてって噺。
えらいバカバカしい噺で、どんなオチがまってるんだろうって思っていたら、なるほど夢オチ。
"噺家の夢"って噺。
続いては、人の恋路を邪魔した講釈師に仕返しをしに行くって噺。
春風亭一之輔、表情がとても豊か。くるくると変わるし、そのどれもにインパクトがある。もはや顔芸の域。
しかも途中で講釈のくだりがあるんだけど、ここがとっても上手。扇子で自分の足をバッチバチ叩きながら。落語だけじゃなくて講釈もできるじゃん!って、観客みんな思ってたはず。
もちろん噺自体もおもしろくて、最後まで楽しめた。“くしゃみ講釈”って噺。
仲入り。
最後の噺は『柳陰』って言葉でピンときた。聴いたことある!大好きな噺!
ご隠居さんが植木屋さんにお酒を勧めて奥さんとのやり取りがあって、その流れがとても粋で、その一連の流れを植木屋さんが家で友だち相手に再現する噺。これも前に
桃月庵白酒の噺を聴いていた。
だからいろいろ分かっているはずなのに途中からゲラゲラ声出して笑ってた。おそらく今まで聴いた生落語の中で一番笑ってた。おもしろかったー。
しかもただおもしろいってだけじゃなくて、品が、色艶があった。春風亭一之輔、人気があるの分かる。素敵だもの。
サゲの頃にはタイトルを思い出していた。"青菜"という噺。
春風亭一之輔、鹿児島に来るならまた行く。絶対に行く。
ごきげんよう。