
フジテレビドラマ、"王様のレストラン"。三谷幸喜脚本。
フランチレストラン【ベル・エキップ】を原田禄郎と千石武が客として訪れる。店の従業員たちの士気は低く、客席はガラガラ。実は禄郎はこの店の元オーナーシェフの息子で、父の死に伴ってこの店の経営権を譲渡されていた。千石は元オーナーシェフと一緒に働いていた伝説のギャルソンで・・・。
ちょっと前に観た"
崖っぷちホテル!"の感想文で"王様のレストラン"が好きでって書いたら、それを読んだ親切なお客様がDVD-BOXを貸してくださった。これはちょっとした奇跡。世界は奇跡と親切で満ちている。
そんなわけで十数年振りに"王様のレストラン"を観たのである。
何回か観ているので(再放送とかビデオとかで)話はもちろん、シーンや台詞を覚えているところもあったけど、それでも新鮮な気持ちでおもしろく観た。
第1話の千石さんがギャルソンに扮するシーンは何回観てもすばらしい。胸がスッとすると同時に、トレヴィアンな千石さんに惚れる。
第2話の無茶振り回もいい。お客様は裏方であるキッチンでどんなことがあったかは関係なく料理を愉しむって意味の台詞がすばらしい。最終回で、実はこの時の会話をソムリエの大庭さんが後ろで聞いて泣いていたって判明したのも素敵。
禄郎オーナー大活躍の第3話、なんだかんだでチームワークの第4話。
そして私はやっぱり第5話が大好き。小さな奇跡が連鎖的に起こりまくって、しずかシェフのスペシャリテ、オマール海老のびっくりムースが完成する回。最後にデコレーションまで完成した時はすっごく泣けた。
宗支配人登場のドタバタコメディーな第6話、途中からSPの人に注目してたら最後でキャー!ってなって泣けた第7話、まさかの舞台出演の都合で千石さんの出演時間がとても短い第8話、定休日にみんなで朝からコーラスの練習って、どれだけ仲良しなんだよって思っていたら、のりたま範朝の『みんな友達いないのか!?』がツボだった第9話、千石さんのパティシエ稲毛への辛辣さから始まる悲劇的な第10話。
ベル・エキップ最大の奇跡が起こる最終話は、展開が分かっていてもグッときた。その名前の通り、みんながベル・エキップ、良き友、良き仲間だった。
1995年当時はそんなに感じなかったけど、がっつり飲食店目線になってしまった今になって観ると、かなりファンタジー。
営業中に割とみんな集まっちゃうところなんて全然リアリティーはない。必要以上にバタバタしているキッチンも。
けれどみんなが集まらなきゃ会話劇にならないし、画的にはキッチンがバタバタしている方がいい。その辺はフィクションとして余裕で愉しめた。
というより、そういうちょっとしたツッコミどころなんて気にならないくらい、やっぱりドラマ作品として大好き。キャストもみんなハマってるし。
私的には千石さんと大庭さんの絡みがもっと観たかったなーと思ったり。プロフェッショナルな感じの絡みになりそうじゃない。
そんなわけで"王様のレストラン"。今観ても、すばらしい!
ごきげんよう。