NHK連続テレビ小説、"カーネーション"。渡辺あや脚本。
大正二年、大阪の岸和田の呉服店の長女として生まれた小原糸子。だんじりが大好きだけど、だんじりは男しか曳けない。女である糸子にとっての自分なりのだんじり、それがミシンだった・・・。
コシノ三姉妹を産み育てた小篠綾子をモデルにした物語。
まだ私の朝ドラ鑑賞が毎日のルーティンになる前の作品。お昼の再放送で鑑賞。
いろんな人から傑作だと聞いてはいたけど、ここまでとは。まず、なんてったって第1話のオープニングがとてもいい。
子供の糸子がお父ちゃんに何度も『いってらっしゃい!気いつけてな!』って言ってから、子供の糸子と大人の糸子(尾野真千子)が一緒になって歌う歌。
時は大正
岸和田に生まれた1人の女の子
名前を小原糸子と申します
着物の時代にドレスに出会い
夢見て愛して駆け抜けたこれはそのお話
これでもう本編のすばらしさが約束されたも同然だった。
子供の糸子もめちゃくちゃよかったけど、やっぱり尾野真千子に尽きる。がらっぱちでパワフルで一本気な糸子は、尾野真千子だったからこそ余計に魅力的だった。
そして脇役もみんな見事。お母ちゃんもおばあちゃんも昌ちゃんも恵さんもお隣りさんたちも安岡家も神戸組も奈津も組合長も周防さんも北村もみんなすばらしい。
んでもって序盤は何よりお父ちゃんがすばらしい。ていうかリアリティーありまくりで怖いくらいだった。
というのも、あの小林薫お父ちゃんが私の父にそっくり。まず見た目。中肉中背で短髪の天パ。仕事はするけど、それ以上に飲み会なんかの集まりが好き。だから家は放ったらかし。でも外っ面は異常にいいから仲間内では人気者で後輩たちからはものすごく慕われている。んで酔っぱらって帰ってきては怒鳴る。手が出る。足も出る。気位が高いけど実はナイーブ。みたいな。
だから実は前にhuluで途中まで観てたんだけど、お父ちゃんが死んだあたりで疲れて観るのを止めてた。今回は観続けられた。
そしたらてっきり糸子の細腕繁盛記だと思っていた物語が、3人娘たちが成長して各々が活躍する展開になったもんだから、もう一気に胸熱。
あの優子が、あの直子が、あの聡子が大きくなって、それぞれに葛藤や成長があって、もちろん糸子の物語もあって、物語が膨らみに膨らんだ。それでいて全てのキャラクターの心情や心の動きまで丁寧に描かれていて、1話1話の説得力が非常に強力だった。すばらしい脚本と演出。
ただやっぱり最後まで糸子は尾野真千子で通して欲しかったなーとは思った。夏木マリが悪いわけじゃないんだけど、どうしても違和感があったし、なんなら脳内で尾野真千子に変換しながら観てたもの。そこだけはちょっと残念。
最終回、糸子が大好きだった朝ドラの主人公になって放送が始まるって展開がまたよかった。あの素敵なオープニングで終わったの、本当に最高。
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カーネーション" ★★★★☆