松本大洋著、"ルーヴルの猫"。
ルーヴル美術館はいつも人が多いと、館内で作品のガイドをしているセシルは思う。"モナ・リザの肖像"の案内は今日は3回目だ。他にも観るべき作品はあるのにと思いながら解説をしていると、観覧者に混じって白い子猫がじっと話を聞いているのが目に入る・・・。
猫とルーヴル美術館と、パリと消えた少女と、松本大洋。
奇跡で不思議なマリアージュ。
そんな帯の言葉は嘘じゃなかった。独創性の塊のような作品。
夜警のマルセルの言葉がこの物語の起点だった。
『あんたは絵の声を聞いたことがあるかね?』
僕は聞いたことがない。
聞いてみたくはあるけど、聞こえないままでいいんだろうな。
僕も【永遠】なんて望んでいないから。
ごきげんよう。